拝啓R様
拝啓R様。
お元気ですか?
もう会わなくなって何年たったでしょう。
あなたがこれを読むことはきっと無いと思いますが、
もう他に僕には手段がないのです。
平にご容赦ください。
最近の僕は別れる直前だったときのように
もどかしく、やるせなく、納得のいかない状況の日々が続いています。
あなたと別れた後につきあったMさんとも別れたことは風の噂に聞いているかも知れませんね
パターンナーの仕事は続けているのでしょうか?
あんな凄いデザイナーさんのところでせっかく働きだしたのに辞めてしまったことは聞きました。
その後のことは風の噂さん達も黙秘を通してます。
どうか夢を叶えてほしいと心の底から願ってます。
どこも終わってしまった恋人事情は中途半端なところが少なからずあると思うのですが
僕たちの場合それが少し多かった気がして僕はこんなのを書いています。
今冷静に考えると別れた後の電話であなたが結婚したい人ができたという当てつけに僕は
あのバーベキューにMさんを連れて行ったのかも知れません。
Mさんのことを考えると凄く酷いことですが・・・実際酷いですね。
でも、そのとき僕はMさんとなんとしても付き合うんだという自分への言い訳があり、
Mさんを利用しているなんて気は全くなく、ただ付き合おうと必死でそんなことは考えもしなかったのです。
あなたが何であれほどまで激怒したのか今になって考えるとお互いにどこかもどかしいところが
あったからで、そこをちゃんとしないで別れたことに最大の原因があるのではないかと思います。
お酒を飲んで荒れたのは僕が絶対的に悪いのでそれは心から謝罪します。ごめんなさい。
あなたの友達が「あなたは悪くない。」と言うように僕の友達は「おまえは悪くない。」といいます。
もちろん、そんな慰めを言われたところでどうなるわけでもなく、結局は二人の問題でどうにもならないのですが
双方の友人がまったく意見が分かれるっていうのはあんまり無いことなんじゃないかとも思っています。
一生残るのではと思った後悔が最近になって薄れてきたのはそんなことを考えるようになったからかも知れません。
長々書きましたが、三年も付き合った思い出話が終わることはないでしょうし、最後に今あなたにとても感謝していることを書きたいと思います。
付き合ったばかりの頃、栃木方面に車であてもなく走ったときのことを憶えてますか?
本当に良く晴れた日のドライブでした。
話した内容は残念ながらおぼろげですが、その日僕たちは二人でおもしろい形の雲を探していました。
すると突然、まん丸の雲が目に飛び込んできたのです。
手に取ったらきっとおいしそうな形の雲でした。
もう二人で大騒ぎ。その雲をずっと追いかけました。
僕はあの雲を、空を、風を、今でもすごく鮮明に思い出せます。
甲州街道の木々の間から空を見上げたときなんとも言えない満たされた気分になれるのはあなたのおかげです。
僕はその思い出でと、そんな思い出を作れたあの恋愛に対してとても感謝しています。
いい思い出をありがとう。
2003/09/07 自室にて
戻る?